太閤堤PFI予算削除  共産党の修正案が本会議で可決

市長の重点公約事業の見直しをせまられる 

 3月30日の市議会本会議、共産党が市長提案の「宇治市一般会計予算案」から「(仮)宇治川太閤堤跡歴史公園整備運営事業」の債務負担行為設定を削除する修正案を提出。修正案には自民の一部・公明などが賛成し、賛成多数で可決されました。市長の重点施策が見直しを余儀なくされています。 債務負担行為は、事業を民間事業者に一括して任せるPFI方式で進めるために、2034年度まで25億6千万円の財政支出を担保するために設定するもの。

 昨年9月に市議会に補正予算として提案され、修正・削除されたものと同額でした。市長が同じ提案を二度行い、二度とも議会で「否決」されたことは宇治市史でもきわめて異例な事態です。

 観光施設に「公民館機能」は無理

 太閤堤跡歴史公園事業は、PFI方式で複合観光拠点として整備しようというものです。

 PFI方式では、入札応募資格に博物館運営の経験などの条件があり、市内企業は1社も参加できません。参加意欲を見せている大手ゼネコンからは「地元企業との共同体は避けたい」とする意見が出されています。

 市の説明では、年間25万9千人の観光客数が見込まれるとしていますが、議会審議で、平等院などを目的に来た観光客の多数が太閤堤公園に入場するというは楽観的過ぎると指摘されました。入場者数が予想を下回り、総収益予想18億3千万円より少ないと、差額は市の負担となります。

 宇治公民館・市民会館を廃止して、その機能の一部を公園の複合施設内に移転するとしていますが、観光施設に公民館はそぐわず、公民館は別に建替えるべきです。

 太閤堤事業には、各党から、批判が続出しましたが、市は充分な説明ができませんでした。

 子育て支援、暮らし応援に予算配分を

 宇治市では、保育所待機児の解消、中学校給食実施、学校施設改修、水道料金値上げ中止、国民健康保険料引き下げ、特養ホームの増設など切実な課題が山積みです。こうした事業にこそ優先的に予算を配分すべきです。

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