業者が破産、学校給食がピンチ 契約額を大幅に引き上げて新業者選定へ

3月27日に、宇治市が学校給食の調理業務を委託している業者(双葉給食株式会社:大阪府高槻市)が破産しました。この会社に委託している学校は、大久保小学校(2016年度まで)、木幡小学校(2017年度まで)、御蔵山小学校(2018年度まで)、菟道第二小学校(2018年度まで)の4校です。4月からの給食実施について、大久保小学校は別の会社の変わることが決まっていますが、他の3校は調理をする体制ができていません。

宇治市は、緊急にあらたな業者選定をするため、現行契約額を30%以上引きあげるという補正予算を提案しました。

共産党議員団は、2年前から給料の未払いを起こしていたと知りながら、対策を怠ってきたこと(大阪府や八尾市、堺市は別の業者に変更していた)、大久保小学校の委託業者選定でも業者いいなりに予定価格を大幅に引き上げたのに続いてまた大幅な委託額の引上げとなること、こういう事態そなえるために「業務代行保証制度」があるのに加入していなかったこと、などを指摘し、民間委託を含めた調理のあり方や契約のありかた、リスク管理などの再検討を求めました。宇治市は、4月12日からの給食実施のためにご理解いただきたいと緊急性を強調しました。議員団は、補正予算には賛成するものの、問題点を指摘し改善を求める「付帯決議」を提案、他会派とも調整して合意にいたり、補正予算と付帯決議はともに全会一致で可決されました。

付帯決議の本文は次の通りです。

 学校給食の委託先事業者の破産手続きが開始されたため4月からの学校給食の実施が危惧されるが、市教委においては速やかに入札を行い、委託先を決定し遅滞なく給食が実施できるように、次の点に留意し取り組みことをもとめる。

   (1) 入札に当たっては、適切な予定価格にすること。

   (2) 契約に当たっては、リスクマネジメントを考慮する等、適切に対応すること。

   (3) 発注・契約手続きのあり方について充分に検討すること。

 

2017年度宇治市予算関連の13議案に対する討論

3月30日(木)3月議会最終日で、議案の質疑と討論が行われました。2017年度宇治市予算関連13議案(市長提案12議案・共産党提案1議案)について、共産党の大河直幸議員の討論は次の通りです。

「宇治市の2017年度予算案についての反対討論」

北陸新幹線延伸(南廻りルート)を考えるシンポジウム

 住民不在の大型開発について考える「北陸新幹線延伸シンポ」が、3月26日(日)に開催されました。会場の京田辺市中部住民センターは、120人の参加者で満員になりました。シンポジウムは、北陸新幹線について与党プロジェクトチームが3月15日に、京田辺市の松井山手駅付近に新駅を設置する「南回りルート」を発表したことを受けて、日本共産党洛南地区委員会・山城地区委員会が開いたものです。

 かみじょう亮一京都6区国政委員長が、延伸計画の概要を説明。敦賀・新大阪間143キロ、建設費は1兆1000億円で、工期は15年の予定。費用負担は、山城地域12市町村が同意しているとされ、府負担が2000億円、駅建設費は150億円とも報道されており、京田辺市は「一定の負担はでてくる」としています。現在、京都-大阪間の鉄道は、全部で5路線もあり、最短23分です。何千億円も使って新たなルートを作らなければならない切迫した事情はありません。

 穀田恵二衆議院議員が、この計画には新聞各紙が「そもそも新たな新幹線が必要なのか」などの疑問を投げかけていることを指摘。住民の要求ではなく、古い政治スタイルの大型公共事業が安倍政権のもとで復活し、加速していることに問題のおおもとがあると語りました。

 本村伸子衆議員秘書の永野保司氏は、分割民営化から30年でJR7社の格差が拡大し、鉄路の廃止・無人駅化などが進み重大事故が起きている。安倍政権下で鉄道の地域格差が拡大している。国は公的な対策をとる必要があると語りました。(2016年のJR各社の鉄道事業営業収益は、東海5556億円、東日本3722億円、西日本1242億円、貨物マイナス34億円、四国マイナス109億円、九州マイナス115億円、北海道マイナス483億円)

 西脇郁子京都府議は、京都府は200億円ものマイナス予算を組んで、高校の統廃合、府職員1000人削減などをすすめながら、莫大な予算を新幹線につかうなど、財政規律上も0常軌を逸していると述べました。

 公共交通をよくする富山の会の渡邊眞一さんは、新幹線建設でJRから切り離された北陸本線の実態、政権与党も巻き込んだ住民運動の広がりを紹介されました。富山県を通る距離は、約100キロでこの区間の工事総額は7168億円。地元負担は2356億円で、2011年・2012年のの負担額は310億円・337億円。県税収入の3割を超えました。これ以外にも、駅周辺整備、取り付け道路建設、公園などが別途自治体負担で作られました。こうしたことが延々と続き、どれくらいお金を使ったかわからないぐらいになっています。

 質疑応答では、「断層の上を通るなど、自然と共生するというスタンスが国にはない」、「松井山手から新幹線に乗る人がいるのか」、「京田辺市の負担はどのくらいになるのか」、「在来線のバリアフリー化や安全対策などを優先すべき」などの声がだされました。

 

第88回山宣墓前祭に230人 平和を守る誓い新たに

善法墓地の山本家の墓前で

 3月5日(日)、第88回山宣墓前祭が開催されました。「花を愛し、家族を愛し、反戦・自由・民主主義を貫いた山本宣冶(やません)の想いを今に生かそう」と呼びかけた墓前祭に230人がつどいました。

 新日本婦人の会の山田敬子さんの司会で始まり、開会前には有志グループのリードで、「山宣追悼歌」を合唱。開会挨拶は、実行委員長の本庄豊さん(宇治城陽久御山地区労働組合協議会議長)。「88年前に山宣が暗殺された後、いっきに侵略戦争に突入した。その悲惨な敗戦の後、日本は72年間戦争を拒絶してきた。このことは、世界の心ある人々の理想であり、日本人の誇りです。いま安倍政権によって、戦争への道、共謀罪=治安維持法の復活などが進められようとしています。これに対し、市民運動と野党共同で、平和への道を切り開こうとしています。あらためて、山宣の墓前で、平和へのたたかいの決意を誓いあいたい。」語りました。
 続いて、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟、日本民主青年同盟、全日本年金組合、日本国民救援会、新社会党、日本共産党の各代表から、弔辞・追悼の言葉がおくられました。愛知山宣会、JR総連から献花があり、東京山宣会からのメッセージが紹介されました。 
 「墓前の誓い」は、あさくら診療所歯科衛生士の玉置祐子さんが、「山本宣冶さん、安倍政権の暴走に対する私たちのたたかいは、昨年7月の参院選などで野党と市民の統一候補がが勝利しました。きたるべき総選挙での野党共闘実現に向けた協議の前進は、安倍政権を退陣意追い込む道筋を切り開いているといえます。」「日本国憲法施行70周年の今年を、自由と民主主義を貫く新しい政治実現への、歴史の残る転換の年とするために大いに奮闘することをあなたの墓前に誓います。」と読み上げました。
 山本家から、二女の井出美代さんから「毎年これが最後になると言いながら今年も来ることができました。93歳になりました。」とご挨拶があり、孫の山本勇治さんが、参加者に御礼が述べられ、「共謀罪が通ったら、宣冶が命を賭けてやったことが無駄になる。絶対に通してはいけない」と訴えられました。
 最後に、参加者は、山宣の生涯に想いを寄せながら献花を行いました。
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