「太閤堤事業」予算、一票差で議会通過

 

6月議会最終日の6月30日、(仮)宇治川太閤堤跡歴史公園整備事業(「太閤堤事業」)を含む補正予算が本会議で審議されました。

100億円規模の大型公共事業 3度目の提案

「太閤堤事業」予算が議会に提出されるのは3回目、過去2回はいずれも議会で「太閤堤事業」予算を削除されてきました。1度目と2度目の提案は、費用を見直しただけで計画内容はほぼ同じ。3度目は、宇治公民館・市民会館の廃止と機能の一部移転を撤回したものの他の部分は変わらず、100億円規模の事業をPFI方式で行おうとする基本構想は同じです。

党議員団は本会議で、大河直幸、山崎恭一、宮本繁夫、水谷修各議員が質問に立ち、事業目的があいまい、事業規模が大きすぎる、来場予測人数が大きすぎる、建設経費見込みが甘く実際には増大の可能性がある、宇治市の観光にどの程度効果があるかはっきりしない、地元商店からお客を奪うことになるなどについて質問、「太閤堤事業」の問題点を指摘しました。

共産党は共同で予算削除の修正案提出

質疑の後、補正予算から「太閤堤事業」部分を削除する修正案を、党議員3名と他会派の議員1名が共同で提出しました。修正案は、山崎たすく議員が提案説明をしました。修正案には、質疑がなく、討論では、渡辺俊三議員と池田輝彦議員が賛成討論を行い、反対討論はありませんでした。採決では、賛成13人(共産7人・公明5人・宇治維新のうち1人)、反対14人(民主7人・自民5人・宇治維新のうち1人・無会派1人)の一票差で否決されました。

一般会計補正予算(第2号)への修正案の提案説明

一般会計補正予算(第2号) への修正案に対する賛成討論

自民が「太閤堤事業」賛成に転換

続いて「太閤堤事業」を含む補正予算の討論が行われ、坂本優子議員と片岡英治議員(宇治維新)が反対討論、真田敦史議員(民進)と中村麻衣子議員(自民)が賛成討論を行いました。真田議員は、「太閤堤事業」を賛美し全面賛成と述べ、中村議員は「全面的に賛成ではないが」などと述べました。採決では、反対(共産7・宇治維新のうち1人)8人、賛成18人(民主6人・自民5人・公明5人・宇治維新の内1人・無会派1人)で可決されました。これまで「太閤堤事業」予算の削除に賛成してきた自民党が、削除反対・「太閤堤事業」予算賛成に転換したことが、議会通過につながりました。

一般会計補正予算(第2号)への反対討論

「太閤堤事業」推進と市民サービス切り捨て求める付帯決議

この後、自民党から補正予算に対する付帯決議が提案されました。同決議案は、「財源確保に向けて、事務事業を見直し効率化を進めること、定員管理計画の確実な履行、公共施設の効率的な整備など、不断の覚悟で行政改革行うことを求める」等と述べており、「太閤堤事業」の推進を前提として、職員削減や公共施設の削減など市民サービスの切り捨てを求めています。大河直幸議員が反対討論を行い、その後の採決では、共産党が反対し、他のすべての議員が賛成で可決されました。

決議案第5号(付帯決議案)への反対討論

共産党、「太閤堤」特別委員会の設置を提案

党議員団は、「太閤堤事業」についてこれからも議会全体で集中的に議論する必要があるとして、「(仮)宇治川太閤堤跡歴史公園に関する特別委員会」を設置する決議案を提案しました。決議案は、水谷修議員、坂本優子議員、山崎たすく議員と片岡英治議員が共同で提案し、大河直幸議員が賛成討論を行いましたが、反対討論はありませんでした。採決では、賛成8人(共産7人・宇治維新のうち1人)、反対19人(民主7人・自民6人・公明5人・宇治維新のうち1人・無会派1人)で否決されました。

無駄な大型事業ストップへ引き続きがんばります

「太閤堤事業」は、未解明や説明できなかったことも多く残されています。来年度には、PFI事業者との契約議案が議会に提出されます。これからも議会での論議と議決の場があります。党議員団は、本会議や常任委員会などの場で積極的に議論をしていきます。同時に、「太閤堤事業」関連の情報を公開・広報して、無駄な大型公共事業をやめさせるために市民と手をつないで頑張っていく決意です。

 

 

北陸新幹線の全線整備早期実現を求める意見書に反対

自民党から、「北陸新幹線の全線整備の早期実現を求める意見書案」が提案されました。党議員団は、福祉や教育などを削って大型公共事業に巨大な税金投入をするアベノミクス型施策に反対する立場です。とりわけ北陸新幹線を京都駅から新大阪駅まで京都南部を通すという「延伸」計画は、地元自治体の大きな負担となり、並行在来線のJRからの切り離しの危険などがあり、新幹線よりも複線化や踏切改善などの住民・利用者本位への転換を求めています。坂本優子議員が反対討論を行いましたが、賛成議員はだれも討論を行いませんでした。採決では、党議員団7人以外のすべての議員が賛成しました。

「北陸新幹線の全線整備の早期実現を求める意見書」への反対討論

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