2013.04.08 コメント
宇治市会議員団は、宇治市議会3月定例会の終了にあたって、コメントを発表しました。3月議会は、山本市長になってからのはじめての予算議会でした。その議会の特徴を7点にまとめてコメントしたものです。
2013年3月市議会定例会について
2013年4月7日 日本共産党宇治市会議員団
宇治市議会3月定例会(2月20日開会、3月28日閉会)は市長選挙後最初の予算議会で
した。
3月末での公立集会所廃止をストップさせ、民間集会所への助成拡充を実現し、ま
た、子どもの医療費(通院)を小学校3年生まで無料にするなど、多くの成果を上げ
ることができました。また、山本新市政が、暮らし、子育て、まちづくりなどの課題
で市民の期待に応えられない市政であることが明らかになった議会でもありました。
1、公立集会所廃止をストップ、民間集会所への助成拡大に
管理者制度を無くし、小修繕を地元負担とする公立集会所廃止計画をストップさせ
ることができました。市長は失敗の原因について「地域の事情への配慮が欠けてい
た」「プラン策定時の見通しの甘さ」などをあげています。パブリックコメントや説
明会での大半の意見は「集会所管理者制度は存続して欲しい」「廃止しないで」とい
うもので市民理解が得られないことは明白でした。市長は廃止条例の先延ばしを提案
せざるを得ませんでした。
民間集会所の助成制度条例を議員提案し可決することが出来ました。耐震改修費の
300万円を上限に3分の2の額、また、耐震調査費や水光熱費(上限5万円)を助
成するものです。市が1年以上にわたり市民に説明してきたもので、すでに助成を見
込んで準備をしている町内会などもあったことから、議員提案したものです。この条
例は共産党議員団と社会議員団の共同提案したもので、自民党の一部や宇治維新の会
の皆さんに賛同いただいて可決することが出来ました。
2、子どもの医療費助成、通院も小学校3年まで無料に
子ども医療費を通院も小学校3年生まで無料にすることが出来ました。実施は9月
からで、新年度予算に計上されました。私たちも繰り返し、拡充するべきと条例提案
してきたものです。市民運動の広がりの中で、先の市長選挙でも争点になり、私たち
が推薦した能塚候補の公約にも掲げられました。選挙の結果は残念でしたが、実現し
ました。
3、豪雨災害対策、市民の寄付金は被災者へ
8月豪雨では、多くの市民から被災者支援の寄付金が寄せられましたが、昨年末に
は1500万円も使い余し、宇治市はこのお金を町内会に配ると言い出しました。寄付し
た方の思いと違うので、私たちは被災者の支援に使うべきと徹底追及。全会派のみな
さんとご一緒に1月の議会で被災者支援に使うべきという付帯決議をつけ、そして3
月議会では遅ればせながら、市民の寄付金は被災者への見舞金に使う予算が決定され
ました。
4、4年連続黒字なのに国保料引下げないなど、暮らしをささえる新施策なし
2012年度の決算見込みは、収支差引3億2833万円で4年連続の黒字見込みで、
基金積み増し分を加えると、実質5億4412万円の黒字です。ところが保険料引下
げせず据え置きとなりました。
厚生労働省は、交付税算入されているもの(職員給与費など事務費、出産育児一時
金、財政安定化事業)については、「法定分」として一般会計から繰入すべきとして
います。しかし、宇治市が予算化した「一般繰入金」は3億1800万円にすぎず、
法定の繰入額を下回っています。また、全国の市町村が保険料を抑えるために一般会
計から「法定外繰入金」を支出していますが、宇治市は明確に予算化していません。
この8年間で商店が23%も減少するなど地域経済は深刻ですが、商業・工業の新
しい施策はありませんでした。農地が激減しさらに病院移転で農用地が6、1ヘク
タールも減少し、農業生産の減少を回復させると約束してきたのに新規施策はありま
せんでした。
5、子育て施策の遅れは深刻に
保育所の待機児は274人(3月1日現在)で昨年同時期の293人に比べ、19人しか
減少していません。その1年間に定数が15人しか増えなかったからです。待機児ゼ
ロが目標であるのに対策の遅れは深刻です。
教室不足解消が遅れ、御蔵山小学校では図工室がなく、三室戸小学校では音楽室が
ありません。学校から施設整備の要望があがっている354項目のうち、対策をしたの
はわずか47項目。市教委が「重要性・緊急性が高い」と評価したにもかかわらず13項
目はいまだに放置されています。たとえば、放送設備改修、学校周囲のフェンス整
備、桜の腐敗、機械警備誤作動、避難用シューター改修、雨漏りなど子どもの安全に
とって重要なものも多く放置されています。雨漏りや老朽トイレの改修は計画化して
きた第2次施設整備計画残り5年間で完了する見込みはたっていません。
育成学級も施設が足らず、大久保小学校で定員100人に153人。神明小学校で
定員100人に139人が入級せざるを得ない状態が続いています。
6、塔の島の桜など100本伐採、宇治市のシンボル景観台無しに
塔の島周辺は、宇治市が景観法による景観重点地区に指定しています。特別風致地
区などに指定されており宇治市のシンボル的景観です。景観法によって国が伐採する
場合でも宇治市にあらかじめ通知する義務があります。しかし、この通知もなく伐採
したもので法違反です。宇治市は塔の島を景観条例で景観重要公共施設に指定してい
ます。したがって、たとえ国であっても京都府であっても、宇治市の方針に従わねば
なりません。世界の、そして市民の財産である宇治川の景観を守る宇治市の姿勢が大
切です。
7、バス路線10路線全廃、3路線短縮。耐震基準以下の伊勢田消防分署建替え先送り
4月1日から10路線を全廃、3路線を短縮され西小倉、名木・伊勢田、槇島地域は新
たにバス空白地域になり、市民の足が奪われました。
防災拠点であり、耐震基準を満たしていない伊勢田消防分署の建替えについて、
2012年度に詳細設計がされたにもかかわらず、2013年度建設予算が計上されませんで
した。 以上