共産党提案の4議案が可決

3月議会では、共産党が提案した4議案が可決されました。

一般会計の修正案

太閤堤跡歴史公園事業のPFI予算を削除する一般会計予算修正案が可決されました。

100条調査委員会の設

おおさか維新・秋月議員の政務活動費の使途には、ガソリン代のなかにラジアルタイヤ代や灯油代が含まれているなど不適切な使途の疑いがあります。秋月議員は、議会運営委員会で説明を求められて発言しましたが、かえって新たな疑問点が浮上。共産党は、真相究明のために「政務活動費の使途の調査に関する決議」を提案しました。決議は可決されて、地方自治法100条に基づく、調査権限のある調査特別委員会が設置され、委員長に宮本繁夫議員が就任しました。

補正予算修正案

市のごみ収集業務を委託されていた企業役員が暴力事件を起こしたため入札停止となったことから新たな企業に4年契約で委託しようとする補正予算案が提案されました。共産党は、1年間かけてゴミ収集運搬業務のあり方を検討してからあらためて契約すべきだとして、1年契約にする修正案を提案し可決されました。

アスベスト被害者救済

昨年9月議会で、京都建築労働組合宇治支部から「『建設従事者のアスベスト被害者の早期救済・解決をはかるよう国に働きかける意見書』の提出を求める請願」は共産党が照会議員となって市議会に提出されましたが、民主・自民・公明などが反対して不採択となりました。そのご京都地裁判決で、アスベスト被害の責任が、規制しなかった国に責任があり、製造・販売した企業にも責任があるとしたことなどアスベスト被害救済の運動が広がりました。共産党は、こうした世論と運と連帯して、「建設従事者のアスベスト被害者の早期救済・解決を求める意見書」を提案。同意見書は、全会一致で可決され、政府に送付されました。

 学校施設改善の請願

さらに、学校教育の充実を求める会の「学校施設の改善を求める請願」(早期に学校トイレなどの改修を求めるもの)が、共産党と無所属議員が紹介者となって議会に提出され、全会一致で採択されました。宇治久世教職員組合などが取り組んできた「教育署名・請願」が宇治市議会で採択されたのは初めてです。

 

太閤堤跡歴公園関連予算を削除  予算特別委員会

3月25日予算特別委員会最終日、総括質問の終了後、共産党議員団から宇治市一般会計予算案から、債務負担行為「(仮)宇治川太閤堤跡歴史公園整備運営事業」(25億6千万円)を削除する修正案が提出されました。採決の結果、共産・自民・公明と無所属議員1人が賛成、民主と無所属議員1人が反対し、賛成多数で可決されました。

太閤堤跡歴史公園整備事業は、総額80億円の事業で、過大すぎる、観光にも地元産業振興にも効果が不明、学校改修・中学校給食実施・保育所待機児解消などもっと優先すべき課題があるなどの意見が噴出。市民の間でも反対や疑問の声が広がっており、議会でも「ノー」の意思が示されました。

大河原としたかさんを知ろう女性のつどいに130人

共産党女性後援会は、3月21日、宇治市産業会館で『大河原たかとしさんを知ろう!!女性のつどいを開き130人が参加しました。

倉林明子参議院議員は、「今、参議院の共産党は11人。7月の参議院選挙で、21人になれば議案提案ができるようになり、消費税中止法案などが出せるようになる。」と大河原さんに期待を寄せた。吉田眞佐子弁護士は、「大河原さんは、重い仕事をしていても、楽しそうにしている。」と明るい人柄を紹介。

大河原予定候補は、「全国の一人区では野党間の候補者調整のため、共産党が候補者を降ろしている。それだけに選挙実績のある京都では必ず議席を獲得しなければならない。」と決意を表明。

そのあと会場からの質問に答えて、結婚のいきさつや共産党への入党の動機などを語りました。それを聞いた参加者からは、「わかりやすく、とても親しみがもてた。」「すっごくよかった」「大河原さんを必ず国会へ」と元気な反応が続出しました。

 

政務活動費の使途調査の委員会設置   おおさか維新・秋月市議の政務活動費について調査

 共産党が提案した「政務活動費の使途の調査に関する決議」が、2月22日の本会議で可決され、地方自治法100条による調査権限のある特別委員会が設置されました。

 おおさか維新・秋月市議の政務活動費実績報告書に、ガソリン代としながら「ラジアルタイヤ代」「灯油代」などが含まれていることが判明。他にも議会出席中や出張中の時間にガソリン給油をしている事例もありました。秋月議員は、議会運営委員会で疑問点の説明を求められましたが、その説明において、自身が経営する会社の車両への給油も含まれている等の発言があり、疑問点がさらに広がりました。共産党は、徹底調査を求める「政務活動費の使途の調査に関する決議」を提案、秋月議員以外の全議員の賛成で可決されました。

ヒューマンチェーン大久保に1300人

戦争法の強行から6カ月目の3月19日、宇治で自衛隊大久保基地を人間の鎖(ヒューマンチェーン)で包もうという行動が行われました。

近鉄大久保駅前でのリレートーク(写真左)では、平和を求める市民団体、行動する若者や若いママさん、労働組合や政党など広範な方々がそれぞれも思いを語りました。元自衛隊レンジャー部隊員の方は「これまでの自衛隊は防衛のための訓練しかしてこなかった。はるか遠い南スーダンで殺し合いをするのは自衛隊の行動にはないはずのこと」と話しました。

その後パレード(写真右)に移り、1300人が参加。「戦争法は 絶対反対!」「だれの子どもも殺させない!」「みんなの力で政治を変えよう!」「がんばれ野党 野党は共闘!」とコールしながら大久保基地の周りをパレードし、基地を包み込むようにヒューマンチェーンを実施しました。

この日は全国各地で、戦争法廃止めざして、市民と野党で政権を包囲しようとの行動が多数展開されました。東京・日比谷で5600人、山形駅前に650人、新潟市で260人、神奈川県茅ケ崎市で110人、岐阜市金公園では1200人、名古屋市では弁護士会が主催して2800人、長崎市では500人、福岡市では九条の会と弁護士会のそれぞれの集会参加者が合流してパレード700人など、いろんなスタイルの集会やデモ行進・パレードが行われました。

関西では、堺市では28駅での宣伝と署名行動などに421人が参加し1060人の署名が集まり、大阪府高槻市で市民ウウォークと街頭演説に350人が参加、京都市左京区では百万遍交差点に50人が集会とデモ行進、和歌山市では弁護士会の「憲法についてあらためて考えようシンポジウム」に150人、神戸市では元町商店街で60人が参加した署名行動など多彩な行動がありました。

国保会計の黒字を保険料引き下げに―修正案を提案

国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)に対する修正案の提案説明をおこないます。

国保会計は、7年連続の大幅黒字となっていますが、その黒字が国保料の負担軽減に活かされていません。積み立ててきた基金は、27年度末で9億8289万6千円の見込みです。本修正案は、これ以上の基金への積立をやめて、その分を次年度会計に繰り越して国保料引き下げに活用することを意図しています。

 3月定例会に市から国保特別会計の補正予算が提案されました。27年度の会計は、4億7千万円の黒字が見込まれるので、その半額2億4千万円を基金に積み立てるという内容です。 

 国保の基金はすでに10億円にのぼっています。党議員団は、これ以上基金に積み上げるのはやめて、来年度の保険料引き下げに活用するという修正案を提案しました。

 以下は議会運営委員会での山崎恭一議員の提案説明です。

 修正案を修正案の内容は、基金積立2億4,169万9千円を削除し、予備費を同額増額するものです。

  27年12月の国保運営協議会の時の決算見込みでは4億7千万円もの黒字です。これは当初予算における収支の見込みを誤り、保険料を高く設定しすぎたことから生じたものです。取りすぎた保険料として加入者に返すべきものですが、年度末のこの時期にいたってはそれが困難です。そのために、予備費に計上することで、28年度予算への繰越金となることを見越した提案です。多額の黒字分を毎年毎年基金に積み上げるこれまでの運用を転換して、加入者の保険料負担の軽減にあてることをめざすものです。

 修正案は、本会議で山崎たすく議員が提案説明を行い。自民党議員が質疑し、宮本繁夫議員が答弁。水谷治議員が討論しました。

 採決の結果、共産党と無会派後委員1人が賛成しましたが、民主、自民、小梅などが反対して否決されました。

「学校施設の改善を求める請願」が採択

3月7日の市議会文教福祉常任委員会で、学校教育の充実を求める会(代表吉田省二さん)から2410筆の署名を添えて提出された「学校施設の改善を求める請願」が全会一致で採択すべきものとされました。

 請願では、「学校教育の充実を求める中で、教育環境をよりよいものにすることは、多くの保護者・教育に係わるものの願いです。未来を拓く子どもと教育のために」として、「①校舎の雨漏り箇所の回収を早期に進めてください。②トイレの大規模改修を早期に実施してください。③洋式トイレの増設をしてください。」の3点を求めています。

委員会が参考人として招致した窪田正孝さんは、「宇治市内の学校で教師をしてきた。トイレ、雨漏りの改修は学校現場、保護者を含め、長年の願い」「現状の学校施設では学習にも支障がある。」と語りました。

 これまで、教育請願では、35人学級実現や中学校給食早期実現などを含んだ総合的な内容で、民主・自民・公明などが反対して不採択とされてきました。今回は、学校施設改善に絞った請願が提出され、全会一致で採択すべすべきものとされました。

 委員会、山崎たすく議員が次の賛成討論をおこないました。 

 請願第28-1号 「学校施設の改善を求める請願」の賛成討論を行います。請願を出された学校教育の充実を求める会のみなさんは、これまでも幾度となく、子どもたちにゆきとどいた教育をと、教育環境の改善を求めてこられました。

 今回の請願趣旨は様々ある教育課題のなかでも、雨漏り校舎の改善とトイレの大規模改修、様式トイレの増設という、学校で生活する基本的なライフラインの整備についてであります。市議会でもトイレ・ライフラインの改修はなんども取り上げられており、市教委も課題と認識しているところでありますが、この3月定例会でも各会派の代表質問でも、教育に力を入れるべきだと意見が出されていました。しかし、この間の整備は遅々として進まず、学校間格差がなくなっていません。市教委が子どもたちの教育環境を整え、教育格差をなくすことは当然の責任ではないでしょうか。

  請願項目の1つ目、校舎の雨漏り改修について、近年の豪雨時など、雨漏りで教室や廊下などが水浸しになるなどの事例が発生しています。授業に支障をきたすだけでなく、事故なども心配され、学校生活そのものに悪影響となっています。

 請願項目の2つ目、トイレの大規模改修について、市教委は平成20年度から10か年計画で平成29年度までにトイレ改修を完了するとして取り組んできました。しかし、トイレ改修は毎年度2校ほどのペースでしか行われず、現時点で市内32小中学校のうち半数以上の18校が未実施のままです。西小倉小学校などでは、水圧が低くて大便が流れない、強くすると水漏れがする、こういう状態が長年放置されたままであります。このままでは、整備が遅れている西小倉地域では、現在小学生の子ども達が中学校を卒業しても、トイレ改修が終わっていないという状態になります。改修ペースを上げるために抜本的な予算拡大を行い実施する必要があります。

 請願項目の3つ目、洋式トイレの実施について、宇治市内の学校ができてきた昭和40年代以降と現在では生活様式も大きく変わり、各家庭でも洋式トイレが当たり前になっています。また、宇治市の公共施設でもトイレの洋式化が進んでいます。しかし、学校では洋式化が遅れており、子どもたちが和式トイレを使えないという事が起こっています。先生が新1年生に和式トイレの使い方を教える事もあります。生活形態に合わせた洋式トイレの増設は急務です。

  以上の理由から、本請願の採択に賛成するものです。

「障がい者の医療と就労への援助拡大を」   障がい者施策の充実についての請願が採択

 3月7日の市議会文教福祉常任委員会で、四方光さんから提出された「障がい者施策の充実についての請願」が、全会一致で可決されました。委員会での参考人招致の場で、四方さんは、「麻酔の副作用・薬害で、下肢の障がいとなり車椅子施活となった。健常者から障がい者になって、就労の困難、少ない障害者年金、高額な医療費、生活費、子どもの学費などで年老いた親にも頼らなければ生活できない。」「企業は自力で通勤する人しか雇用しない」「公共交通機関で行けない場合は、タクシー通勤などを考えて、その負担額を企業やし、府、国で負担するとかを考えていただけたら、障害者があきらめていた仕事に対する意欲や自信をつけられることのになります。」と障がい者の現状を具体的に訴え、「①障がい者への医療費の助成を身体障害者手帳3級までとしてください。②障がい者が就労する場合に公共交通機関を利用できない場合は、タクシーなどへの助成をしてください。」と求めました。

 審査の中で、 山崎たすく委員が「3級まで助成している府内自治体はいくつあるか。宇治市の独自助成は」と質問。担当課長は、「26自治体のうち、19自治体で実施している。」と答弁しましたが、宇治市での実施は財源などで難色を示しました。

 請願は、委員会の全員一致で採択すべきものとされました。また、請願の趣旨を踏まえた国・府への意見書は、委員長・副委員長で案文を調整することになりました。

 委員会で、山崎たすく議員は以下の賛成討論を行いました。

 請願第28-2号 「障がい者施策の充実についての請願」の賛成討論を行います。2013年に成立した障害者総合支援法は、多くの障害者などの運動で廃止された障害者自立支援法をベースに事実上の改定にとどまったため、「応益負担」の仕組みを残すなど障がい者の願いにこたえておらず、支援を必要とする人が支援を得られない「制度の谷間」も大きな問題です。2014年1月に日本政府が批准し、同年2月から効力が発生した、国連の「障害者権利条約」は、どんなに重い障がいがあっても、障害のない市民と同様に地域で暮らし、学び、働き、スポーツ・旅行・趣味を楽しみ、情報のやりとりをする権利の保障などを掲げています。障がい者が人としての尊厳を尊重され、社会生活のあらゆる場面で権利が保障される社会の実現には、この障害者権利条約にあるように、地域で生き生きと暮らしていくことが欠かせません。

 しかし現状は、請願趣旨にもあるように、働きたくても自力で通勤できなければ雇用されない。通勤・通院などの交通費や医療費の負担が重いなど、障がい者の方には大きな壁があります。宇治市に住む障がい者やその家族の生活を支えるために、市独自の支援拡充が必要です。

  請願項目の1つ目、障がい者への医療費の助成を身体障害者手帳の3級までとすることについて、全国的に4割以上の都道府県が身体障害者手帳3級まで医療費助成の対象を広げています。府内では3分の2の市町村で身体障害者手帳3級もしくは4級まで対象にしています。本市の制度は全国的に見ても京都府内を見ても極めておくれているというふうに言わざるを得ません。宇治市でも他の自治体と同様に医療費助成の拡大お行うべきです。

 請願項目の2つ目、障がい者の就労にあたって、公共交通機関利用できない場合は、タクシーなどへの助成をについて、働きたくても自力で通勤できなければ雇用されないという実態は、就労の妨げになるだけでなく、就労し生活を支える妨げになり、就労継続のために家族が送迎を行なう等の負担も重いものです。

  以上の理由で本請願の採択に賛成するものです。

戦争法廃止を誓いあう   第87回山宣墓前祭

 治安維持法の改悪に命懸けで反対し、1929年3月5日、右翼のテロで暗殺された山本宣治を偲ぶ「山宣墓前祭」が、善法墓地において開かれ、200人が参列しました。山本宣治は、1889年宇治市生まれ、アメリカで苦学した後、産児制限の普及につとめ、同志社大学で教壇に立つなどを経て労農党から衆議院京都2区に立候補して当選しました。普通選挙の実施で、無産政党からの当選者が出たことに危機感を強めた政府が、治安維持法の改悪をすすめようとしたのにただひとり反対しました。治安維持法の国会での演説を控えた夜、宿舎で右翼に刺殺されました。40歳でした。暗殺者の背後には、内務省警保局がいたことが解明されています。山本宣治は、親しみやすく明るい性格もあって、多くの人に「山宣」と親しんで呼ばれていました。

 墓前祭は、参加者による黙祷で始まり、続いて山宣追悼歌を一緒に歌いました。

 主催者である第87回山宣墓前祭実行委員会委員長の本庄豊さんがあいさつし、「安倍政権は、日本を戦争する国に変質させようとしている」と批判し、「山本宣治さん、あなたの思いは、いま受け継がれています」と語り、戦争をしない日本を時代につなぐことを宣言し、献花しました。

 弔辞・追悼の言葉を、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟の宮城日出年さん、日本民主青年同盟の堀川朗子さん、全日本年金者組合の山崎彰さん、日本国民救援会の大平勲さん、長野山宣会の柄沢義郎さん、新社会党の池内光宏さん、日本共産党の大河原としたかさん、それぞれが追悼の言葉をにべ、献花しました。

 墓前の誓いで、あさくら診療所の松元伊万里さんが「山本宣治さん、今年もまたあなたの墓前につどい、あなたに思いをはせ、その意思を継いで、個人の尊厳が守られ、平和で幸せに暮らせる社会の実現をめざす誓いを新たにしています。」と語りかけ、「私たちは、侵略戦争と暗黒政治を反省し、二度と戦争はすまいと決意し、日本国憲法を制定しました。」「しかしその日本国憲法が危機に直面しています。」「自民・公明・安倍政権がねらう憲法九条改悪をゆるさず、戦争法の廃止、医療・福祉の充実の力を合わせることをあなたの墓前に誓います」と結びました。

 遺族を代表して、孫の山本勇治さんが、宣治の遺族それぞれの近況をユーモアを交えて紹介されました。そして、宣治の思いが多くの人に受け継がれていることに感謝し、「みなさんとともに、戦争のない日本をつなげていきたい」と語られました。

 その後、参加者も順に墓前にお参りました。その後、会場を「花やしき浮舟園」(宣治の実家)に移し、「山本宣治を偲ぶ茶話会」が開かれました。

 

「2016年度宇治市予算案について」を発表

議員団は、2016年度の宇治市予算案について、以下のコメントを発表しました。

2016年度宇治市予算案について 

2016224日 日本共産党宇治市会議員団

 

 222日、宇治市議会3月定例会が開会され、2016年度宇治市予算案等が提案されました。山本市長就任から4年目の仕上げの年の予算ですが、産業振興、暮らし応援、教育・子育て、高齢者福祉など市民の切実な願い実現には財源の確保が困難として背を向け、一方で80億円もかかる太閤堤跡歴史公園事業をすすめようとしています。

 3月定例会において、代表質問や一般質問、予算特別委員会での審議を通じ、市民の声を届けて実現するために力をつくします。是非、ご意見をお寄せください。

  一般会計予算額は6248千万円で過去最大規模になっています。アベノミクスで大企業は空前の利益を上げていますが、宇治市の税収入は個人市民税・法人市民税ともに減収を見込むなど、市内企業の収益も市民の所得も伸びない見込みです。

  高すぎる国民健康保険料の問題では、7年連続の大幅黒字で10億円もの基金をためこみながら国保料の引き下げを拒否しています。基金を活用し、多くの市で行っている一般会計からの繰入などを行えば引き下げは充分に可能です。水道事業の財政シュミレーションでは収入を少なく見込み、支出を多く見込むことで値上げが必要だと14%の大幅値上げとしています。財政シュミレーションを精査し、資金調達を見直せば値上げは回避できるものです。

  宇治市の経済では、2014年までの5年間で事業所数が8%減少し、2014年度までの10年間で大型店の市内小売業の売り場面積に占める割合が、56%から87%へと大幅に増加、小規模商店が大幅に減少しています。「地方創生」で人口減少対策といいながら、人口減少を食い止める具体策がありません。住宅リフォーム助成制度、中小企業への固定費支援、公契約条例の制定、個々の小事業者への支援など、他の自治体で成果をあげている経済政策を導入すべきです。

  トイレが、くさい・きたない・洋式トイレがないなど時代遅れの状況におかれている学校が18校もあるのに、その改修ペースは年間2、3校でしかありません。中学校給食は、全国ではほとんどの自治体で実施されており、遅れていた京都府内でも急速に実施する自治体が増えています。それなのに市での実施を拒否し、業者弁当のあっせん事業に固執して昨年より大幅増の558万円を計上しています。1年でも早く中学校給食を実施すべきです。

ゆきとどいた教育のためには少人数学級が欠かせません。国はいったん35人学級へと踏み出しましたが、安倍政権になって止められました。そのため市町村が独自に少人数学級を実施する例が増えていますが、宇治市では国の基準のままという姿勢です。予算全体に対する教育費の割合は、多くの自治体が9%から10%なのに、宇治市では8.5%にすぎません。

保育所に入れない待機児童は、2014年4月の81人から2015年4月には109人へとさらに増えていますが、保育所の新設などの抜本的対策をとろうとしていません。子どもの医療費助成では、宇治市以南の自治体では、中学校卒業まで実質無料になっているのに、宇治市では小学校卒業までのままです。

  特別養護老人ホームに入れない待機者は、2014年の269人から2015年には315人へと増加し、介護保険料を払っているのに介護サービスが受けられないという事態は深刻さを増しています。介護報酬の減額などの国の制度改悪が進められる中、介護職員の不足と低賃金が介護事業の衰退につながりかねない事態です。

市内商店の減少や大型スーパーの撤退で、買い物難民が増加しています。商店の振興とともに、デマンド型タクシーなどの高齢者など交通弱者の移動を保障する政策を実施すべきです。

  太閤堤跡歴史公園事業には総額80億円もの巨費を投入しようとしていますが、事業規模が大きすぎる、PFI方式は問題があると指摘され、市の答弁でも税収増にも観光客増にも効果の見込みは示せないとするなどとなり、9月定例会で関連予算を削除する修正案が可決されました。それなのに、否決された事業計画を変更せず、2034年までの長期計画(債務負担行為)に256千万円、来年度事業で112600万円を計上しています。目的もあいまいで、成果もみこめない大型事業は、根本的に見直すべきです。