高すぎる国保料を引き下げる条例案―自民・公明・民進などが反対

10月3日の文教福祉常任委員会に、党議員団が提案した「国保条例改正案(国保料の引き下げ)」が付託され審議されました。

大河直幸議員は、提案説明で「提案は、均等割と平等割をそれぞれ5000円づつ引き下げて、4月に遡って実施するものです。これによって、4人家族では2万5千円、引き下げることができます。「国保会計の黒字が約8億円あり、基金残高も8億円、あわせて約16億円を超える財源があるわけですから、市民から採りすぎた保険料を還元するだけで、保険料の引き下げは可能です。」と述べました。

審議では、保険料を抑えるために多くの市で実施している一般会計からの法定外繰り入れが、宇治市ではゼロであること。国保料は、『所得割』『均等割(人数割り)』『平等割(世帯割)』の3つからなっていますが、宇治市はいずれの項目でも府内15市の平均を上回っており、とりわけ平等割は府内で最も高くなっていることなどが明らかとなりました。

討論では、服部議員(民進)が反対討論を、宮本議員(共産)が賛成討論をおこない、共産党が賛成し、自民、公明、民進、無会派が反対して否決となりました。宮本議員の賛成討論は以下のとおりです。

【宮本繁夫議員の討論】

議会議案第2号、「宇治市国民健康保険料条例の一部を改正する条例を制定する」について、日本共産党宇治市会議員団を代表して賛成の立場から討論をおこないます。

宇治市の国民健康保険料は、40代夫婦・子ども二人の4人家族で400万円の給与所得がある場合、51万8,390円となり、所得の12.95%が保険料となります。支払いの限度額を超えていることは明らかです。また、所得に関係なく負担になる平等割は、府内の15市で最高で、均等割と平等割のみの負担の方が3割から4割に達している中で、その支払いの限界を超えています。

一方国保会計は8年連続の黒字であり、今年は近年で最高の8億3116万円の黒字です。当初予算編成時と比べても3億円も増加しています。引き下げ財源は十分あります。国が医療費の抑制政策をとるもとで、医療費の支出が増え続けるとの根拠はなく、現に2016年度の国保会計見込みでは、昨年度と比べ医療費支出は減少に転じています。国保会計の予算は、明らかに支出を過大に見せて、収入を少なく見込んで建てられたものであり、8年連続の黒字決算がそのことを明確に示しています。

国民健康保険制度は、退職した時など、他の健康保険への加入ができない時には必ず加入することのなる健康保険であり、国民皆保険制度を支える社会保障制度の基盤です。その国民健康保険が、高すぎる保険料のために市民生活を圧迫しているのですから、保険料引き下げのために、宇治市はあらゆる手段を取るべきです。

日本共産党は、一般会計から国保会計への法定外繰入をおこなって、保険料を引き下げて市民の負担を軽減すべきと要求してきました。

今年度にあたっては、市民から取りすぎた国保料を還元することによって、保険料の引き下げは可能ですから、ただちに保険料引き下げを行うべきです。

以上の理由から、本議案に賛成するものです。

 

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