共謀罪の廃案を求める意見書  自公維が反対・民進は退席

 党議員団は、5月臨時会に「テロ等準備罪(共謀罪)法案」の撤回・廃案を求める意見書(案)を提案しました。通例では意見書は定例会に提案するものですが、急施案件として議会運営委員会で提案が承認されました。意見書(案)には、自民、公明が反対、宇治維新も日本維新の決定に従うとして反対、無会派議員は賛成。民進党は採決寸前まで態度を表明せず、結局採決時には議長を除く6人が退席しました。その結果、意見書は賛成8人、反対12人で否決されました。

 提案した意見書(案)全文は以下のとおりです。

「テロ等準備罪(共謀罪)法案」の撤回・廃案を求める意見書(案)

  安倍政権は、「テロ等準備罪(共謀罪)法案」について、519日衆議院法務委員会で強行採決した。同法案は、もの言えぬ監視社会をつくるもので、思想や内心を処罰の対象とする違憲立法であり、日弁連加盟のすべての弁護士会、学者、ジャーナリストをはじめ幅広い国民から強い懸念と反対の声があがっているものである。十分な審議をせずに採決を強行したことに強く抗議する。

 「共謀罪」法案をめぐる国会審議では、法案の必要性や適用対象をめぐって政府見解がたびたび変更され、金田法務大臣が答弁不能に陥って審議が止まる事態がたびたび起こっている。対象は組織的犯罪集団であり一般市民は関係ないと言いながら、組織的犯罪集団の定義はないと答弁しており、どの団体が対象になるかは捜査当局の判断次第である。準備行為の範囲もあいまいであり、対象範囲がどこまでも広がる危険がある。準備行為を処罰するためには、盗聴や密告に依拠することになり、戦時中のような国民監視社会になる可能性がある。そもそも同法案の口実とされた条約はテロ対策の条約ではなく、起草段階で政府自身が「テロは対象とすべきではない」と主張していたものである。

 憲法の思想信条の自由を踏みにじる内心を罰することになり、わが国の刑法体系の根本的な変質となる「テロ等準備罪(共謀罪)法案」の成立は到底許されるものではない。

 よって政府におかれては、「テロ等準備罪(共謀罪)法案」の撤回を求めるものである。

 また、国会におかれては、「テロ等準備罪(共謀罪)法案」を廃案にするよう求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2017年5月22日

 宇治市議会議長     

衆議院議長   大島理森 様

参議院議長   伊達忠一 様

内閣総理大臣  安倍晋三 様

法務大臣    金田勝利 様

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