伊勢田駅無人化問題で近鉄と交渉

 5月14日、近鉄伊勢田駅がラッシュ時間帯に駅員がいない無人駅になっている問題で、倉林明子参議院議員と沿線の共産党議員団が共同で近鉄と懇談・交渉を行いました。共産党は交渉に先立って近鉄沿線でアンケート調査を実施し、そこに示された利用者の声をもとに交渉しました。

 出席者は、近鉄側が、鉄道本部大阪統括部運輸部長、運輸課長、他主査2名。共産党側が、参議院議員倉林明子(秘書)、宇治市会議員団(山崎恭一)、城陽市会議員団(川村明子)、京田辺市会議員団(岡本亮一)、精華町議員団(佐々木雅彦)。京都民報社記者が同席しました。

 懇談・交渉は以下のように行われました。

  (近鉄側の説明〉 少子高齢化の進行の中、鉄道の存続のために必要な措置。安全が最優先というのは当然だが、職員配置と安全対策とは別である。また、人員の確保が困難だという事情もある。利用者にはご不便をおかけすることになるが、ご理解いただきたい。

〈共産党側の質問や意見・(近鉄の回答)〉

アンケートの内容を紹介して、利用者の声を伝え、職員配置を元にもどすよう求める。

バリアフリー化改築で施設改善されても車イスではホームまで行けるだけで、渡し板をかけてもらわないと乗車できない(近鉄:事前に、できれば前日に連絡してもらえば係員を配置する)

なにかあればインターホンで問い合わせてくれというが、インターホンにはカメラがついてないので聴覚障がい者には連絡の方法がない。何億円もかけて、エレベーター設置などをしながら、一方ではバリアフリー化に逆行しているのではないか。

始発から終発まで19時間超にわたって列車が走っている。そのうち駅員がいるのは8時間で、無人時間が11時間以上。朝夕のラッシュ時は無人。無人時間に伊勢田駅を発着する列車は約140本、通過する特急や急行は約120本。こんな駅で無人化は無茶ではないか (近鉄:これまでも無人の時間はあったが特に問題は起きていない)

障がい者は外出もいろいろ工夫している。無人駅やエレベーターのない駅が近くにあっても、遠くの駅を利用したりしている。問題ないと見えても、苦労や不便が隠れていることは多い。

一片の掲示だけで通知し、理由も書いていない。あらためて利用者に周知する予定はないか。 (近鉄:本部として説明・広報の予定はない。近辺への周知は駅長の判断でおこなっている)

なにかトラブルや問い合わせの時には、大久保駅か新田辺駅にインターホンで連絡することになっているが、すぐに対応できるのか (近鉄:駅長のいる駅=大久保・新田辺には巡回係が各1名いるので、それが対応する)

無人時に見ていると、券売機の不調や自動改札で警報が鳴ったり、乗り換え切符はどのボタンを押すのかわからないとかさまざまな不便や小さなトラブルも見かける。こうしたことは無人化の影響として集計されているのか。 (近鉄:無人化の影響でというわけではないが、日常的に集約はしている。)

この職員配置は最終決定か (近鉄:様々な事象を集約して検証する。一定期間の後、修正・変更することもある)

このアンケートは利用者の声であり、しっかり参考にしていただきたい。 (近鉄:よく拝見させていただく)

 最後に、共産党側から、「安全は最終的には人で守るものだと思う。万が一にも無人化で重大事故が起きたら、被害者はもちろん、近鉄にも重大な責任が覆いかぶさる。利用者の声としても、経営体としても、今回の職員配置はたいへんに危険が大きい。ぜひ検討し直していただきたい。」と要望し、今後の推移をみるとしてこの日の懇談を終えました。

 

 

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